今回お話をしてくれたのは、当時4歳だったKくん。母親がガン闘病で入院中に父親が不倫した相手が継母になった死別再婚家庭のお話です…
それでも継母には感謝してるんだ
【かんたん図解】登場人物
【ステップファミリー実話】
当時10歳の兄は継母を受け入れられなかった
母親がガンで亡くなり、父親の元不倫相手が継母に…
私は一時期ステップファミリーの継母に育てられていた時期があります。
結局別居する事となりましたけど、今から思うと継母なりに頑張ってくれていたのだと感謝しています。
私が4歳の時、実母は亡くなりました。
実母はガンを患っていたのですが、診察を受けた時には余命2か月だったそうです。
実母の入院中に父は女性と知り合って不倫をしており、実母が亡くなってからその女性と再婚。そして私にとって継母になったというわけです。
この時の家族構成は、父+継母+兄(10歳)+私(4歳)の4人でした。
結局2年半後に父と継母との間に子供が出来、これを機に別居する事になるんですけどね。
それまでの経緯ですが、私は特に問題を感じていませんでした。
これは私が結構バカだったのも関係していると思いますけど、幼過ぎて現状を把握出来ていませんでしたね。
実母が亡くなった経緯を4歳の子供、しかも同世代よりバカだった私には理解出来ませんでした。
ちなみにサンタクロースでいうと、実在するか否かではなくその存在すら知らないぐらいでしたから。
亡くなった実母には悪いですけど、家にいてる女性が変わったな、今までと違う味付けの料理が出されるようになったなというぐらいしか感じていませんでした。
ですので私は実母の事を引きずらず、継母に馴染めていたと思います。
馴染めなかったのは、10歳の兄だった
問題だったのは兄です。
父再婚時、兄は10歳だけあって色々わかっていたのでしょう。
母が死にそうになって苦しんでいるのに、他の女と浮気しているとは何事か!と。
だからか兄は父と仲が悪く、そして浮気相手である継母とも仲が悪いという状況でした。
私の体験から判断するに、再婚時の連れ子は幼い方がいいんじゃないかなって思います。
幼子だった私は理解出来ていませんでしたし、それ故に継母に馴染めました。逆に兄からすると自分の母は亡き実母だ!という想いが強くて継母を受け入れられなかったのだと思います。
両親にセメントベビーができた頃。
兄は裸足で家を飛び出し祖父母に助けを求めた
継母との同居は2年半後に終わりを迎えます。
この頃は私も小学生になっていましたし、なんとなく覚えています。
主な原因は継母が出産して赤ん坊が出来たから。
なんだかんだと私も兄も、継母からすると赤の他人です。
しかも兄も私もヤンチャ盛りでした。
特に私はバカで、本能のままに動くような子供だったので相当な苦労だったと思います。
自分にとって実の子供でも、虐待や育児放棄する母親っているもの。
ましてそれが血の繋がっていない子供なら、嫌気も出てこようというものです。
そして継母は自分の子供が出来た(初婚で初産)わけですから、今までと同じように私達に接するのは無理。
まあ私は継母に懐いていたので、イヤな思いはしていないんですけどね。
でも兄は違ったようでした。
兄は父と継母と口論し、家を飛び出しました。
そして車で30分ぐらいの距離にある、母方の祖父母宅まで歩いて行ったのです。裸足で。
この頃の兄はまだ小学6年生だったのですが、祖父母からすると小学生の子供が逃げ出してくるなんてとんでもない!しかも裸足!と驚いたようです。
私は継母にイジメられた記憶はありませんが、祖父母からするとそんな所に孫を置いていけるわけがない!とこちらまでやってきました。
そして父+継母+祖父母の4人で話し合いをした結果、私と兄は母方の祖父母に引き取られて育てられる事になりました。
兄と2人。実父と離れ、
亡くなった母方の祖父母と暮らす
なんだかんだとこれで良かったのだなって今になっては思います。
恐らくあのまま継母の元で暮らしていたら、兄はまっすぐ育っていなかったように思いますし。
父は頼れない。
継母は赤の他人だからもっと頼れない。
祖父母もいずれは死んでいく身。
祖父母は引き取ってもらった当時60歳過ぎでしたけど、男の60歳って今亡くなっても寿命って感じでしたから。
祖父母に育ててもらいながら、いつ祖父母が亡くなっても大丈夫なよう自立しなければという気持ちが芽生えました。
おかげで横道にそれることなく、成長出来たんだと思います。
引き離された家族。
でも苦労して頑張ってくれた継母には感謝
継母を憎む気持ちはありません。
もし私が今、再婚してヤンチャ盛りの連れ子を引き取るとなると無理だなって思います。
恐らく私なら連れ子と同居してまで結婚はしないでしょう。
それでも継母は結婚を選び、血の繋がっていない私達を育てようとしてくれたのです。
継母に懐いていた私はともかく、自分に反抗的な兄の面倒もちゃんとみていましたし。
なんだかんだと継母なりに苦労して頑張ろうとしてくれていたんだと今なら理解出来ますし、感謝しています。
おわり
う〜、なんだか切ないね
セメントベビーによってさらに傷ついてしまうという…
※セメントベビーとは、子連れ再婚夫婦の間にできた子供のこと
お兄さんの苦悩もよくわかるし、御祖父母さんの正義もわかるな
【家族の絆づくりに大切なこと】
繊細な年頃の子供といい関係をつくるために
日本においてステップファミリーを支える数少ない機関であるSAJの書籍『ステップファミリーのきほんをまなぶ』には以下のように書かれています。
実親子は大切な関係がこれまでと同じであることを実感するために,カップルはパートナーシップを深めるために,そして継親子はお互いをよく知るために,それぞれ一対一の時間を意識的に持ちましょう。
個別に二人だけの共有経験を積み重ねることで,家族のメンバーそれぞれとのつながりの意味や価値を感じることもできるようになります。その結果として,このステップファミリーとなった意義を見出せることがまずは大切です。その後に,各メンバーの気持ちを確かめながら,家族全員での行動を増やしてもよいかもしれません。
SAJ(ステップファミリー・アソシエーション・オブ・ジャパン),野沢慎司. ステップファミリーのきほんをまなぶ (Japanese Edition) (Kindle Locations 699-704). Kindle Edition.
当ブログで度々引用させていただいている『ステップファミリーのきほんをまなぶ』。ステップファミリーの人はもちろん、これからステップファミリーなるかもしれない人にとっても有益な学びが満載!絶対に読んでほしい一冊。オススメです。
大切はことは、子供はこの再婚の状況を選べる立場じゃないことを大人が理解し、子供の傷ついた心のケアにたっぷりと時間をかけ、そして大人も子供も、この家族になった意味をポジティブに捉えられるように真剣に向き合うことが大切なんですね。
ローマは1日にしてならず、信頼は時間をかけてつくるものだね
「1対1」の関係を強化しよう
- 実父と子供(大切な関係が今まで通りである実感)
- 継母と子供(お互いをよく知る)
- 夫婦である実父と継母(パートナーシップを深める)
世の中が「ステップファミリーという個性」を理解し認めることが大事だね
ステップファミリー先進国アメリカでの具体的なコミュニケーション方法も参考になるよ
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Photo : Марина Вельможко, Pixabay / Marcelo Matarazzo, Unsplash / Free Photo, Pixabay / Markus Spiske, Unsplash / Nikoline Arns, Unsplash