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守れ戦え!里親シンママ家族の愛『マイ・サンシャイン』【映画感想】

映画レビュー『マイ・サンシャイン』里親シンママ、差別と暴動と家族の愛
てぃーこ

『007』のダニエル・クレイグもハル・ベリーもかっこいい〜♡

えむ

社会性のあるテーマで見る価値ありよ

はじめましての方、こんにちは。最愛シンパパと恋愛中のえむと申します。プロフィールはこちら

【家族構成】シンママと血の繋がらない子供たち

映画『マイ・サンシャイン』里親シンママファミリー家族構成
  • 母親:黒人シングルマザー(里親)
  • 養子1:3歳くらいの黒人男の子
  • 養子2:8歳くらい南米少年
  • 養子3:7歳くらい南米少年
  • 養子4:10歳くらい少年
  • 養子5:6歳の黒人少女
  • 養子6:2歳の白人男の子
  • 養子7:2歳くらいの黒人女の子
  • 養子8:子供の面倒を見るしっかり者の16歳くらいの黒人少年
  • 一時的に引き取った血気盛んな18歳くらいの黒人少年
  • 隣人:白人男性

【あらすじ】守るために戦う、里親シンママと市民たち

暴動が日常的に繰り返される物騒な「社会」と、平凡でささやかな幸せの眠る「家庭」は、切り離されることなく、入り混じっていました。

人種差別による事件を発端にした1992年「ロサンゼルス暴動」

ロサンゼルスよ、目を覚ませ!

映画は、のちに「ロサンゼルス暴動」と呼ばれる歴史的な事件の元となった人種差別による2つの事件が背景になっている。理不尽な暴行や死亡があったにもかかわらずほぼ無罪のような判決に、まるで被害者が自ら招いた結果かのような報道。怒りが頂点に達した人たちは暴徒化し、リアルなテレビニュースが要所要所で盛り込まれ、2020年5月に起きた白人警官によるジョージ・フロイドさん死亡事件の“BLACK LIVES MATTER(ブラック・ライブズ・マター/BLM)”を想起させる。

映画の背景になった2つの事件

ラターシャ・ハーリンズ射殺事件
15歳の黒人少女が窃盗と間違えられ、スーパーの韓国系女店主に銃で殺された。加害者はほぼ無罪の処罰。

ロドニー・キング事件
26歳の黒人がスピード違反で大人数の白人警官から暴行を受け死亡。警官たちは無罪釈放に。

対照的に、温かく輝く家族の日常

理不尽な人種差別、怒りに身を任せたぶつかり合い、カオスになってしまった街…そんな世界と入り混じるように描かれていたのは、日常や個人や家族や仲間でした。

ホストマザーとして、2〜18歳くらいまでの10人近くの子供たちを引き取っては、女手一つで育て上げる強くたくましい女性。激動の怒りの渦の中、子供たちは彼女のもとで愛情いっぱいに守られ育てられていたのです。

口調の荒々しい隣人の白人男性は、強い彼女の心が折れそうになる度に手を差し伸べ心の支えになってくれ、家族はなんとか生き延びていました。

【感想】世界を生き抜くために必要なものは「家族の愛」

家族みんなで抱き合って笑顔

どう思われても家族だよね

映画『マイ・サンシャイン』本編より

まるで戦争のような悲惨な現実が訪れた時、大切な子供たちを失うかもしれないパニックの中、張り裂けそうな心を支えてくれる誰かがそばにいるということ。どんなに強くたくましい人間だとしても、たった1人で立っていることはできるでしょうか?

コロナ禍で感じた「一番大切なもの」

状況は全く違うけど、コロナ禍にある今、なんだかリアルに身にしみました。この過酷な現実、非情な世界を生き抜くためには、やっぱり守るべき一番大事なもの「家族」が必要なんだ、と。

混沌とした「世界」と、柔らかく温かい「家族」…

ただ、一緒にいられれば、それだけで良かった。ささやかに暮らしていたはずのミリーたちの生活はある時一変する――。

映画『マイ・サンシャイン』公式サイトより フランス・ベルギー・アメリカ 2017

差別・貧困・格差・誹謗中傷…他人事ではない

映画前半にわずかに出てくる、寝ている子供たちを起こす母親の温かい姿は、たしかに暗い世界の中で光輝いて印象的でした。

しかしこの映画は、見る前に想像していたような「家族愛を描いた温かいもの」というより、むしろ「社会的なメッセージの強いもの」でした。

英語版の映画DVDパッケージには次のようなキャッチコピーが書かれています。

DON’T LET YOUR FAMILY GET CAUGHT IN THE CROSSFIRE.

あなたの家族が十字砲火(集中攻撃)を浴びないように

“KINGS” DVD Package

血の繋がらない子供たちが兄弟姉妹として愛ある家族となってもいれば、一方で里親とうまくいかず荒れる少女や素行不良少年も描かれていました。暴動を起こす有色人種がいて、白人至上主義の正義を振りかざす警官もいて。守るべき家族のために戦う必要があって、する必要のない傷を負ったりしている。

身内、差別、司法、報道、正義…

決して他人事ではなく、なんなんだろうなと考えさせられる映画でした。

てぃーこ

記憶に新しい”BLACK LIVES MATTER”は、何年もの間に積み重ねられてきた辛い歴史なんだね

えむ

映画の原題は『KINGS』で、まさに「ロドニー・キング事件」に由来してるようなんだよね

邦題『マイ・サンシャイン』には原題の強い主張が感じられなくてキラキラしたイメージだからちょっとずれてる気がしたけど、社会性の深いテーマとして見る価値アリだよ!

家族を守れるのは、自分たち自身。大切なものを守るために、戦おう。

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十字砲火 / Cross fire:
2つ以上の火器が、別々の場所から一点に向けて射撃されること。主に機関銃・機関砲によって形成されることが多い。ぶつけられる火力が大きく、なおかつ、あらゆる方向から攻撃されるために遮蔽物も限られるので、損害が通常に比べはるかに大きくなり、される側にとっては最悪の状態といっても良い。

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