日本だとまだまだ子連れ再婚って少ないイメージだけど、他の国はどうなんだろ?
韓国に住んでいるSさんに、ステップファミリー事情について教えてもらったよ〜
はじめましての方、こんにちは。最愛シンパパと恋愛中のえむと申します。プロフィールはこちら
【自己紹介】ステップファミリーで育ったSさん
私は韓国在住のアラフィフ主婦で、韓国人の夫と娘と3人で暮らしています。
私自身は現在、ステップファミリーではありませんが、私が育った家庭はステップファミリーでした。小学生の時に母が亡くなり、父が再婚した継母と10年ほど一緒に暮らした経験があります。
子供の頃はいろいろと大変なことも多かったのですが、そんな私を理解してくれる男性(夫)に出会い、慣れない海外生活に悪戦苦闘しながらも、今は楽しく暮らしています。
【韓国の結婚・離婚事情】約半数が離婚
韓国の離婚率は日本より高い
2019年度の韓国の結婚・離婚状況を調べてみると、結婚件数は239,159組、離婚件数は110,800組という調査結果が出ていました。
対する日本は、結婚件数は599,077組、離婚件数は208,496組となっています。
※韓国の人口は約5,200万人ほどで、日本の人口は1億2700万人ほど。韓国の約2.5倍もの人口。
日本の離婚率は3分の1程度、韓国の離婚率は半数近くということだね
韓国の離婚率は日本より高く、最近では熟年離婚も増えているため、離婚率は年々増加しています。離婚率が高いということは、離婚後に子供を連れて再婚する人もそれだけ多くなりますので、子連れ再婚も増加しているといえるでしょう。
出典:韓国統計庁「2019婚姻・離婚統計」、日本厚生労働省「令和元年(2019)人口動態統計(確定数)の概況」より
ステップファミリーへの偏見
離婚率は日本より高い韓国ですが、社会的にはまだまだステップファミリーに対する偏見やネガティブなイメージがあります。
儒教の影響
韓国は儒教の影響を受けて発展してきました。
父系血統を中心とする社会なので、結婚しても夫婦は別性となります。つまり簡単にいうと「血のつながり」を重要視するため、女性は一生、苗字が変わることがないのです。夫婦の間に産まれた子供は、基本的に父親の姓を名乗ります。
韓国って男性が強いイメージあったけど、そういう背景があったのね
女性が我慢するのは当たり前だったが…
また、韓国人は家族を大切にするという考えが強いので、離婚して再婚する(ステップファミリーになる)ことをあまりよく思っていない人も多いです。
昔は男尊女卑的な考え方をする人が多く、結婚生活に多少の問題があったとしても、女性が我慢するのは当たり前…というふうに思われていました。
今はだいぶ変わり、女性の社会進出が進み、経済的に自立できる女性が増えてきたことで、昔のように我慢して結婚生活を送る必要がなくなったことも韓国の離婚率が高くなってきている理由のひとつでしょう。
男尊女卑は日本でもまだはびこっているよね
【シングルファザーの国際結婚】韓国で多い理由
韓国は「多文化家庭」が多い
韓国では韓国人男性と結婚する“外国人女性”が多く、そういう家庭は「多文化家庭」と呼ばれています。全国の多文化家庭の数は約35万家庭で、これは一般家庭の1.7%に当たります。
多文化家庭の増加とともに、外国人の母親(または父親)を持つ子供たちの教育面での遅れなどが社会問題になっています。
出典:韓国統計庁「2019人口住宅総調査」より
韓国人シングルファザーと外国人女性との結婚が多い理由
実は韓国人女性は結婚相手に求める条件が高いので、韓国人のシングルファザーが独身女性と結婚するのはかなりハードルが高いといえます。
そのため、そんなに高い条件を望んでいない外国人女性と結婚するケースも多く、外国人の女性を紹介してくれる会社もあるくらいなのです。
外国から来る女性たちのなかには、実家が貧しく、韓国人のシングルファザーが自分の実家に経済的な援助をしてくれるからという理由で結婚を決意する人もいます。
日本人からするとちょっと信じられないかもしれませんが、私の知り合いのなかにもそういう女性がいます。
外国人女性とのマッチングサービスがあるってことなのね
韓国人夫・外国人妻というステップファミリーの問題点
ステップファミリーの場合、同じ国の男性と女性が結婚したとしても、お互いの子供や家族のことなどで様々な問題がでてくるのが普通です。
それが国際結婚ということになるとさらにもっと大変な現実が待ち受けています。
言葉の壁
シングルファザーと外国人女性が結婚した場合、一番最初にぶつかるのは言葉の壁です。言葉での意思疎通ができないと、相手の言っていることを理解できないし、自分の言いたいことも伝えられません。
国際結婚の場合は、まず女性が韓国語の勉強をしなければなりません。
文化の違い
次に、文化の違いから夫婦の意見が合わず、ぶつかってしまうことがよくあります。
韓国人は親兄弟や親戚など、血のつながった家族を大切にする人が多く、お正月やお盆以外にも何かの記念日や誕生日など、何かといっては家族で集まろうとします。
女性は相手の義家族に気を使うことが多いので、ストレスがたまりやすく、体調をくずしてしまうこともあります。
伝統的な家庭料理の味
そして、3つ目は韓国料理をおいしく作れないということです。
韓国料理は作るのに慣れてしまえばそんなに難しいことはありませんが、韓国人の口に合う微妙な味付けがあるので、それを体得するために少し時間がかかってしまうこともあります。
ステップファミリー+国際結婚は、相当大変そうだぁ…
【シングルファザーの国際結婚事例】フィリピン人妻との再婚
私のまわりにいるステップファミリーの奥さんは、中国やフィリピン、ベトナムから来た女性たちが多いのですが、残念ながら彼女たちの家庭生活はあまりうまくいっていないようです。
そうなんだぁ…
ただ、そのなかで1家庭だけ「よく頑張っているな、お互いにうまく合わせてやっているな」と思うステップファミリーがいます。夫の友人の家庭なのですが、その家庭のことを紹介したいと思います。
【かんたん図解】家族構成
- 夫=実父(韓国人)
- 妻=継母(フィリピン人)
- 長男(夫の連れ子)
- 長女(夫の連れ子)
- セメントベビー(韓国人夫とフィリピン人妻との子供)
- 妻の実子:未婚の母として産んだ実子がいて、今は両親が育てている(戸籍上、妻の両親の子供)
出会いはマッチングサービス
夫は前妻と離婚後、自分の母親に長男と長女を預け、一人暮らしをしながら働いていました。前妻との離婚の原因は、都会育ちの前妻が田舎の生活に嫌気がさし、恋人を作って出て行ってしまったからです。
そして現在の妻はフィリピンにいる時に未婚で長女を出産しています。その子は戸籍上、妻の両親の子供ということになっているそうです。
二人は国際結婚をあっせんする会社の紹介で出会い、結婚することになりました。
平日は夫の母親が子供たちの世話をする
結婚後、子供たちはこれまで通り、夫の母親が世話をすることになりました。
夫婦は夫の会社の社宅で暮らし始め、子供たちは平日は祖母(夫の母親)の家で過ごし、週末だけ実父(夫)と継母(現妻)の住む社宅に帰ってきました。
その後、夫婦の間に赤ちゃん(セメントベビー)が産まれ、その子は両親と一緒に生活していました。
継母(妻)は継子たちとは週末だけ会うという関係だったので、毎日神経を使わずにすみ、心に余裕を持って継子たちと接することができました。
また、子供たちは自分たちを置いて出て行ってしまった実の母親のことを嫌っていたので、むしろ自分たちに良くしてくれる継母のほうになついていました。
週末になると、夫は3人の子供たちを連れて外に遊びに行き、異母兄弟間の交流をはかりました。継子である長男も長女も、セメントベビーの次男を可愛がり、次男も腹違いのお兄ちゃん、お姉ちゃんのことが大好きで、今でも異母兄弟の仲がいいそうです。
家族関係を良好に保つことができたポイント
週末だけステップファミリー全員集合
継子たちに対する妻の精神的負担を減らすため、平日は祖母である夫の母親が子供たちと過ごし面倒をみていました。妻は継子たちと週末だけ会うという関係だったので、心に余裕を持って接することができました。
週末は夫が「異母兄弟」の実子たちをケア
夫は週末に子供たちを連れて一緒に遊ばせました。長男・長女と次男は普段は一緒に生活していなかったので、一緒に過ごす時間を作ることで、兄弟が仲良くなれたようです。
継母の妻は一人になれる時間も確保
夫が子供たちを遊びに連れて行っている間、妻は映画を見たり、友だちとお茶を飲みに行ったりして自分の時間が持てたので、海外生活のストレスを発散することができました。
旦那さん、ナイス!
おばあちゃんともいい関係だったんだろうね
それぞれが状況を受け入れながら歩み寄ってる感じがするね
【韓国のステップファミリー支援機関 】
ステップファミリーの問題解決のため、韓国では「健康家庭支援センター」という機関で、電話やオンラインを通して様々な相談を受け付け、ステップファミリーのための教育も無料で行っています。
専門のカウンセラーがその家庭の抱えている問題点を把握し、解決方法を一緒にディスカッションしていくというものです。
「건강가정지원센터」韓国語サイトはこちら
また、韓国在住の外国人女性のサポートとしては「多文化家庭支援センター」という機関が全国各地にあります。
「多文化家庭支援センター」では、韓国文化についての講義を受けたり、韓国語を無料で学んだりすることができます。料理教室やコンピューター教室、様々な体験教室などがあり、慣れない韓国生活を送っている外国人女性にとってはいい気分転換になっています。
そのほかには「再婚家庭相談センター」「心理相談センター・夫婦クリニック」というところでも、専門のカウンセラーが相談にのってくれます。
同じ境遇の人と話せたり、専門家の人に気持ちを理解してもらえるとホッとするよね
サポート体制が整っているというのは大切!
【まとめ】国際結婚ステップファミリーのハードルは高い
うまくいっているステップファミリーを見ていると、家族みんなが仲良くできるように、お互いの立場を思いやりながら努力しているようです。
韓国に限らず、どこの国でもステップファミリーが仲良く暮らしていくのは大変なことですが、国際結婚をしたステップファミリーの場合は、超えないといけないハードルもさらに高くなります。
本人たちの努力以外にも、まわりの人たちからの理解やサポートも大切ですね。
思いやりと歩み寄りが幸せの秘訣だね!