ステップファミリーとは

血の繋がりは関係ない。多様性とステップファミリー in インドネシア

インドネシアのステップファミリーを学ぶ

てぃーこ

インドネシアって首都ジャカルタは大都市だよね!

えむ

高層ビルの大都市と伝統的なエリアが混在してる感じだね。現地に住んでいる3人の女性がインドネシアのステップファミリーについて教えてくれたよ〜

はじめましての方、こんにちは。最愛シンパパと恋愛中のえむと申します。プロフィールはこちら

家族そのものを大切にするインドネシア

インドネシアのお祭りで踊る少女

私たちが住んでいるインドネシアでは、現在は昔より離婚する人も増え、子連れでの再婚もあまり珍しくないように思います。

日本と同じようにインドネシアでも核家族化が進んできてはいるものの、基本的には一つの土地に複数家族で住んでいたり、曽祖父・曽祖母、祖父・祖母、父母、子供といった4世代での同居や、親戚の人も一緒に住むなど親族・家族間の距離がものすごく近いという特徴があります。

こういった環境なので、連れ子の世話は継母や実父ではなく、他の家族が見ることも多いようです。

てぃーこ

日本とはずいぶん違う感じだね

えむ

助け合いだね〜

子連れ再婚かどうかより、家族そのものを大事に

インドネシアではそもそも家族そのものが大事なので、家族になるまでのプロセス(養子縁組や子連れ再婚など)はあまり気にせず「自分の家族だから大切」という感じが一般的であるように思います。

家族観は昭和の日本のような、今でも地方の田舎にもあるような家族の距離感だと思います。

とにかく家族・親族が一番。どこにいくのも何をするのもファミリーで行くことが多いです。

また宗教上の行事もすごく多いので、お祭りの時は親戚の家へ行ったり、親戚たちが家へみんな集まったりと、本当にみんなが近くにいてしょっちゅう会います。

ファミリーというとすごく遠いハトコやその先までは、日本だと会ったことがあるかどうか怪しくなりますが、こちらではみんな普段から会っていて、イベントごとで大体会えます。

最近の若い人たちは自分たちで家を買い、親とは別に住んだりする人も増えてきてはいますが、SNSなどを見ているとやはり宗教上のお祭りや家族での写真がとても多いですね。

近くに住む親戚と一緒に夫の連れ子を育てる友人の話

鮮やかな緑の自転車にまたがり笑顔でポーズをとるインドネシアの少年

子連れで再婚した私の友人曰く、もう先妻の子供(継子)も大きくなっていて、旦那さんの親も一緒に同居しているので、自分一人で頑張って面倒を見なくても周りにフォローしてくれる家族がたくさんいるのだそうです。

本人的には子供にはもっと自分に甘えて欲しいと思う事がないわけではないようですが、無理をしないで子供が好きな場所にいるのが一番良いことかなと思えるそうです。

たくさんの家族が一緒に住んで、親戚も近くにいることで子供も居場所や逃げる場所がたくさんあるのだと思います。

てぃーこ

旦那さんの親族に囲まれた生活環境になじめるのか…というのは日本人的な感覚なのかもね

えむ

親族みんなでワイワイ子供を育てるって、素敵だな♡

血の繋がりは関係ない!子連れ再婚・ステップファミリーに寛容

そもそもが日本に比べて何事にも寛容な国で「何とかなるさ」の精神が根付いているインドネシア。基本的には子連れ再婚に対しても寛容です。

子連れ再婚やステップファミリーが珍しくも何ともなく、またみんな子供が好きということもあり、子育てに関しては親戚だけじゃなく、ご近所さんがまとめて子供の面倒みるなどもよくある光景です。

レストランで食事をしていたら、店員さんが抱っこして面倒を見てくれたりすることもあります。

てぃーこ

店員さんに安心して我が子を任せられる親の度量もすごいね

母親違い、父親違いの複雑な兄弟構成でも、気にしない

インドネシアのステップファミリー 例

インドネシア人の友達の両親もそれぞれ2回結婚しており、兄弟は母親違い・父親違いが半数いてかなり複雑です。

それは珍しいことでもなく他のインドネシア人の友人から兄弟を紹介された時に「この子は父親が違うの」など普通に言われるし、特に本人も気にしていません。

えむ

まわりもそういう環境だと気にならないかもね

一夫多妻制度がステップファミリーを助長

男性を取り囲みピクニックをする複数の女性

実はステップファミリーが多い背景には、宗教の影響が大きくあります。

人口の80%以上がイスラム教徒であるインドネシアでは、一夫多妻が認められていて、男性は3人まで奥さんをもらうことができます。

ただ、同時に2人の妻をもらう人もいますが、それは男性側に“それだけの財力”があればの話です。

例えば、現在タレントとしてマルチに活躍中のデヴィ夫人は、若かりし頃、インドネシアの当時の大統領の第二夫人として結婚されています。

ですが、そのようなことは一般庶民の間では稀で、

複数人の妻と同時に結婚生活を送っている男性は少なく、浮気をしても第一夫人に戻ったり、離婚して第二夫人(=後妻)だけとの結婚生活を送ったりしています。

また、イスラム教の教えだと奥さんは平等に扱われなければなりませんので、第一夫人(=前妻)と第二夫人(=後妻)に対しても同様、子連れ再婚にも寛容なのだと思われます。

こうした文化的背景から、ここでは子連れ再婚やステップファミリーがたくさんいるのです。

多様な民族・宗教を認め「多様性の中の寛容」を国として掲げている

そもそもインドネシアは色んな民族から成り立っており、話す言葉も考え方も、ずいぶんと違います。

共通の言葉としてインドネシア語があり、それ以外に自分の民族の言葉を話すことができる人が多いですし、国として5つの宗教(イスラム教、キリスト教、仏教、ヒンドゥー教、儒教)が国教として認められていることから、それぞれの宗教観に基づいた考え方の違いというのもあります。

ですから、そのように異なる価値観を持った人々が互いを認め合うべく、国として「多様性の中の寛容」を掲げ、「ゴトンヨロン」といって相互に助け合う精神があります。

気候的にも一年を通して太陽にあたりずっと暖かいので、開放的になり南国特有のゆるい性格となるのか、ステップファミリーでも偏見などなく、みんな仲良く暮らしているように思います。

日本のように周りの目を気にせず、割とやりたいように生きている感じです。

てぃーこ

行ってみたい〜w

人口世界第4位。ステップファミリーも増加見込み

祭りに参加するインドネシアの子供

国土の広いインドネシア、都会と田舎の差はとても激しく、未だに田舎の方では子沢山が普通です。

子供は宝、子沢山は利益をもたらしてくれる」という意識が根強いので、私の住んでいる場所では4人5人と子供がいる家庭も多いです。

結婚年齢が早く、1度目の結婚での子供が大きくなり再婚をしてもまだ30代とかなので、2回目の結婚でも子供を授かり自分の子供と孫が同い年というケースもあるわけです。

人口は世界第4位で増加中

基本的には皆さん若くして結婚して、子供を複数人産んでいますので、日本のような少子化現象とは真逆をいっており、地味に人口は世界第4位の国です。

昨今のコロナの影響で日本は先行き不安から生み控えが進んだと言われていますが、インドネシアは逆で今年は生まれてくる子供の数が例年より多いらしいです。

皆、家にいることが多く、することがなかったのだろうと下世話な想像しています。笑

法的には再婚として届出ず、ステップファミリーとなる場合も

インドネシアは日本のようにちゃんと法律や戸籍制度が機能しているわけではないので、原始的に暮らしている民族もいます。

そもそも子供が産まれても出生届をすぐには出さない人も多いので、誕生日や年齢も定かではなかったりします。

本人の申し出ベースとなっており、正式に再婚という形を取らずに暮らしているカップルも一定数いると思われます。

初婚年齢が低く、児童婚・子沢山による貧困は社会問題にも

インドネシアの女性たち

初婚年齢が低いという話をしましたが、実は、法律で禁止されている「児童婚」をしている人たちも多いです。

親が子供に結婚を強要するということではなく、本当はまだ若い子供に結婚をしてほしくないけど、子供が「どうしても結婚したい」と頼むから、子供に甘い親は許してしまうそうです。

また、イスラム教では婚前交渉が禁止されているので、男女二人で夜一緒にいただけで、女性の両親から迫られ高校在学中に結婚をさせられた、という男性友人もいます。

しかし「児童婚からの子沢山が貧困問題に繋がっている」と社会問題にもなっているので「子供は二人まで」という政策の看板もよく見かけます。

18歳未満で結婚する少女は14%

政策の看板にあるように、最近では子供の結婚抑止に動いています。

実際、田舎へ行けば行くほど、まだ年端もいかないような少女のような女の子が赤ちゃんを抱っこしている光景を見かけます。

2019年のCNNの記事によると、18歳未満で結婚する少女は全体の14%いるとのこと。そして法律での婚姻年齢はこれまでの16歳から、19歳以上へと引き上げられることが決定しました。(CNN「女性の結婚年齢、19歳に引き上げ 子どもの結婚抑止へ インドネシア」

またインドネシア共和国保健省のデータによると、10〜20代前半の早婚では、約50%が離婚しているそうです。(HelloSEHAT「Sebenarnya, Berapa Usia yang Ideal untuk Menikah?」

このように、児童婚が社会問題となったことやこうした法律の改定が進んでいることから、児童婚は少しずつ減りつつあります。

さらに女性の社会進出も増えてきているので、今後は以前よりは初婚の年齢も上がってくるのではと思います。

ただ、そもそも国民の平均年齢が29歳とすごく若く、結婚適齢期の人たちも出会いは山ほどあるので、「結婚→離婚→再婚→ステップファミリー」という構図は今までと変わらずに、今後も続いていきそうですね。

不妊治療や養子縁組も進んでいる

ちなみに最近では不妊治療も少しずつ浸透してきていますが、それでも子供がなかなかできず養子をもらう人もたくさんおり、養子縁組は今後ますます増えていきそうです。

ただ、冒頭でもお伝えしたように、インドネシアでは日本でのワンオペ育児のような状況とは違い、近くに信頼できるたくさんの家族親族がいるので、子供や夫との関係が行き詰まってしまうことは、なかなかなさそうです。

またインドネシアでは多くの場合、養子であることを周りも本人も自然と知っていますが、それがすごく珍しかったり特別な事であるといった感じではなく、精神的なストレスは比較的ないように思われます。

ステップファミリーにせよ、養子縁組にせよ、多様性が認められ自然と受け入れられているのがインドネシアの家族観と言えると思います。

てぃーこ

国民性的にもおおらかでオープンな印象があるし

えむ

家族同士信頼しあえる関係っていいね

助け合いの精神でステップファミリーを温かく迎えよう

宗教など文化的背景やおおらかな国民性もあり、ステップファミリーが受け入れられやすい環境であるというインドネシア。血の繋がりよりも、ひとつのチームとして助け合える関係こそが家族である、ということがよく伝わってきましたね!しかも親族だけでなく、隣人もまるで家族のように、ということがとても素敵に思いました。

一方では児童婚という問題があるインドネシアですが、彼らの助け合いの精神や価値観の違いを受け入れる寛容さは、日本人の私たちにとってたくさんの学びがあるのではないかと思います♪

えむ

お互いを自然に受け入れあえる環境って素敵♡

幸せなステップファミリーになるまで♡ TOPへ戻る

あわせて読みたい