子連れ再婚に引け目を感じてる人って日本ではけっこういそうだよね
ドイツは「離婚児」という理解が進んでいてサポートも充実してるんだって。今回はご自身もステップファミリー育ちのT子さんが教えてくれたよー
ドイツ留学経験のあるステップファミリー育ちT子さん
私はステップファミリーの出身です。
3歳のときに両親が離婚し、母と祖父母という家族構成で育ちました。10歳のときに母が再婚して子連れ再婚家庭(ステップファミリー)で育ちましたが、やはり新しい父との関係に悩んだ時期がありました。
そんな経験から、ドイツへ留学した際、ドイツのステップファミリー事情についていろいろと調べていたのですが、今回えむさんとお話し、「シンパパ, my Love」のためにさらに論文なども改めて調べてみたので、わかりやすくシェアしたいと思います!
ありがとう〜!!
子連れでも再婚したい!幸せなステップファミリーになれる理由とは
ドイツと日本って、歴史的に?なんか近い印象があるよ
他の欧米諸国より離婚率の低いドイツ
ドイツは、他の欧米諸国と同じく離婚率は高いです。なんと、首都ベルリンでは50%ともいわれています。
結婚したカップルの半数が離婚っ…!?
とは言っても、全体で見ればフランスやアメリカと比べてドイツの離婚率は低い方で、しかも年々低下しています。
2018年の統計ではフランスの離婚率は3.54%、アメリカは2.50%に対し、ドイツは1.79%と低い数値となっています。日本はそれらより低い1.65%。
こうしてみると日本って離婚率低い方なんだね
ドイツの状況が日本と異なる点は、シングル家庭だけでなく、事実婚や同性婚も多い点です。
離婚後、約50%が再婚!
また、ドイツの「Family Report 2017」の2015年の統計によると、結婚したカップルの約35%が25年以内に離婚しているそうです。
さらに短い期間ではより離婚率が高まるという結果も出ています。
一方、再婚率も非常に高く、離婚後、約半数が再婚するとのことです。
※「シングル家庭」「事実婚家庭」「法律婚家庭」で集計
離婚後、半数が再婚…!!へ〜
- 夫婦の約35%が25年以内に離婚
- 短い期間での離婚率はより高い
- 離婚後、約50%が再婚と、再婚率も高い
出展:Family Report 2017 p.42
約4万組の子連れ再婚家庭
同じ統計では2015年に届け出が行われた離婚カップルのうち未成年の子供がいる家族は82,019組で、全体の約50%にあたります。
そのうち半数が再婚するとなると、単純計算すれば約4万組の家庭がステップファミリーになるということになるでしょう。
キリスト教を背景に一般的な核家族
ちなみに、ドイツでは核家族が一般的です。
夫婦や親子、という少人数の家族ね
キリスト教を背景に、マリア、ヨセフ、キリストという聖家族がひとつのモデルケースになっており、従来の日本のような拡大家族的な概念は薄いと思われます。
この傾向は、日本と同じように、都市圏でより顕著です。
またステップファミリーも多く、その傾向は特に北部のプロテスタント圏で顕著です。
伝統的な価値観が重んじられるカトリック圏に対し、より個人主義の強まるプロテスタント圏だからだと思われます。
宗教の影響って大きいね
ドイツのシングルファザー比率は、シングルマザーと同程度
日本では、シングルファザーはシングルマザーの5分の1程度と少ないのですが、ドイツではその点、日本と大きく異なります。
シングルファザーはシングルマザーと同程度
また、ドイツでは母子家庭と父子家庭の比率が同じぐらいで、日本のように極端な母子家庭への偏りがありません。
収入の多い男性が養育者(=実親)になることも多く、日本のように親権は女性、でも収入は低い、という貧困母子家庭を生み出すことも少ないようです。
日本では裁判で親権争いとなると「子供は母親のもとで育つべき」という謎の概念で父親が親権を持てない…という話をよく聞くね
法律とか国のサポートとか常識が、まだまだシングルファザーに厳しそうだよね
女性が働きやすい環境は日本より充実している
日本よりも離婚率が高い背景には、ドイツにおける女性の社会進出が考えられます。
託児所や子守サービスが日本より充実していて女性が働きやすいため、シングルでもやっていけるという家庭が多いのです。
女性は家を守るものという固定観念も希薄なため、外に働きに出やすい環境でもあります。
実際、私の留学していた大学には託児所があり、教職員だけではなく、なんと学生も子供を預けることができるそうです!
これなら子供を育てながら大学で学んでキャリアアップもできそうで、日本とのギャップに驚きました。
わー、すごい進んでるー
私のドイツ人の友人も父子家庭で育ったとのことですが、このように父子家庭が広く認められている背景には、女性の経済的自立、共同親権による役割分担、女性の性役割概念の縮小などがあると思われます。
- 女性の経済的自立
- 共同親権による役割分担
- 女性の性役割概念(女は家を守るという考え)の縮小
子連れ再婚で、幸せなステップファミリーへ
ここまで「ステップファミリー」という言葉を使ってきましたが、実はドイツでは再婚によって血の繋がらない親や子が家族として生活していることを「パッチワークファミリー」と呼びます。
パッチワークとは、色とりどりの布をつなぎ合わせて新しい模様を描き出す手芸の手法だね
新たな良さを生み出す「パッチワークファミリー」
ステップファミリーというと継母、継父と子供との関係など、どうしてもネガティブなイメージになりがちです。
ドイツではこのような家庭を「様々なルーツをもつ家族員がパッチワークのように繋がって新たな良さを生み出す」とポジティブにとらえることで、家族間のわだかまりを減らすことに成功しているそうです。
家族メンバーのバックグランドや個性を尊重しつつ再婚家庭をよりポジティブにとらえるこの考え方はとても素敵だと思いました。
パッチワークって、新しい作品としてバージョンアップするイメージ♡
重要視される“離婚児”のケア
それに伴い、ドイツでは「離婚児(Scheidungskind/離婚家庭の子ども)」という概念が定着していて、そのような子供たちのための絵本やワークショップなどがあり、ケア体制が日本よりはるかに充実していると感じます。
実際、私がドイツに在住していた際、近くの書店では「離婚児」のための本の専用コーナーが設けられていました。
血の繋がらない親子の葛藤を緩和
もちろん、日本を含めたあらゆる国と同様、パッチワークファミリー(=ステップファミリー)における血縁関係のない親子同士の葛藤は存在します。私の友人も、“父親の彼女”とうまくいかず、父親は再婚を諦めたと話していました。
しかしドイツでは、上記に述べたような「離婚児」にまつわるケアの方法や、女性が働きやすい環境が整っていること、シングルファザーも多く理解があること…など、日本よりもこれらの葛藤や問題点は少ないのではないかという印象をもちました。
日本でも離婚児のケアがもっと早く広がるといいね
【まとめ】ステップファミリーならではの良さに目を向けよう
社会全体が男女の役割という既成概念を排除し、その上で女性の社会進出のための施策や父子家庭へのサポートや両親が離婚した子供のケアなどを進めていく必要がありますね。
私たち個人ができることは、まず「子連れ再婚は難しい」という常識を疑い、ひとりひとりの個性や価値観の違いを受け入れる寛容性を持つことなのではないか、と思うのです。
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離婚という事実を適切に捉えることが大事だね!ポジティブに♡
こちらの本もかなりオススメ!
当ブログで度々引用させていただいている『ステップファミリーのきほんをまなぶ』。ステップファミリーの人はもちろん、これからステップファミリーなるかもしれない人にとっても有益な学びが満載!絶対に読んでほしい一冊。オススメです。