医療技術が進み、それには賛否両論あるかもしれないけど
LGBT夫婦だからと言って全然違う世界の話ではなくて、男女カップルと共通する点もけっこうあると思ったよ
はじめましての方、こんにちは。最愛シンパパと恋愛中のえむと申します。プロフィールはこちら
映画を見ながら
夫婦同士の関係、親子関係、マイノリティの家庭の形…そんな中で作り上げる家族に大切なものとは何か、考えてみよう
【あらすじ】キッズ・オールライト
同じ男性から精子提供を受け、それぞれが出産したふたりの子供と暮らす同性カップル・ニックとジュールス。18歳になり、大学に進学することになった姉のジョニと15歳の弟・レイザーは、1度も会ったことのない医学上の父親にこっそり会いに行くのだが…。
U-NEXT『キッズ・オールライト』
【相関図・家族構成】同性愛者の両親、子供、精子提供者
- 母親A ニック
- 母親B ジュールス
- 長女(18歳) ジョニ
- 長男(15歳) レイザー
- 医学上の父親 精子提供者 ポール
2人の母親も子供達も、精子ドナーには会ったことがなかったのだが、15歳の長男が会いたいということで長女と結託し、両親に内緒でコンタクトを取ることに。
その後、両親も含めて5人でお食事会を開き、少しずつ相手がどんな人間かを理解していく。
母親A ニックの性格
職業は医者。
仕事を愛する完璧主義者。支配欲が強く、時に人を見下すところがある。敵とみなすと質問ぜめにしたり、味方とみなすと陽気に歌い出すようなコントラストのはっきりした人。レズビアン家族の中で父親的立場を取ってきたため、精子提供者のポールが現れたことを脅威に感じ、気持ちが不安定になる。
母親B ジュールスの性格
大学で建築を専攻したけど、出産前にやめた。もうひとりの母親AがBを家に囲いたがるのを察してのことだった。
子育てが一段落し、新しく始めた「景観デザイン」の仕事に誇りを持ち承認欲求を満たそうとするが、母親Aの無関心さに傷つけられる。母性的な性格の母親Bは、不満を感じつつ我慢して生きてきた。
父親的な威厳のあるしっかり者の母と、母親的な包み込む優しさのある母。同性同士でも役割が別れているのね
医学上の父親 精子提供者 ポール
飲食店のオーナー。
ぱっと見は変わり者で自由を愛するワイルドさが印象的だが、実は包容力があり根は優しく女性に人気。50歳目前まで結婚もせず女遊びで生きてきた。
顔合わせの食事会では、母親Bの満たされない気持ちを察したように「自分の庭を作ってくれないか」と打診。
長女 ジョニ
ポールの精子提供を受けて、母親Aから生まれた。頭が良く、オールA、受験校は全て合格。まもなく大学進学のため、実家を出る。
精子ドナー ポールのことは懐疑的だったが、実際会ってみると意気投合。
長男 レイザー
ポールの精子提供を受けて、母親Bから生まれた。スポーツ万能で、チームプレイが好き。繊細で空気を読む傾向がある。ポールへの第一印象は思い描いていた父親像と違い期待はずれでギクシャクしたが、徐々に仲を深めていく。
2人の子供のうち自分が産んでいない子供は「血の繋がりのない子供」ということになるわけだね
【相関図ネタバレ】気の迷い。家族の崩壊へ
- レズビアンの母親B ジュールスと、精子提供者 ポールが不倫関係に…
- 仲良くなった家族全員とポールの間に亀裂
母親Bと精子提供者による不倫
景観デザインの依頼を通して交流するようになった母親Bと精子提供者ポールだったが、なんでも意見を聞いてくれ自分の存在を認めてくれる精子提供者ポールに対し新たな感情が芽生えた母親Bは、つい体の関係を持ってしまい、深みにはまっていく…
母親Bを本気で好きになってしまった“精子提供者”
本気の恋に落ちた精子提供者ポールは、付き合いのあったセフレに対し「君は若くてセクシーだ。気軽な関係がよかった。でもこのまま50歳になりたくない。家族が欲しい。人生を分かち合いたい」と言い放ち、母親Bにのめり込んでいった。
「型にはまらない家族に」乾杯したのに…
2人の不倫関係を隠しながら、家族の仲を深めるために開かれた精子提供者ポール宅でのホームパーティー。
パートナーと不倫関係があるとは知らずに、母親Aはついに精子提供者ポールと打ち解け始めていた。
「型にはまらない家族に!」
深まる仲に家族揃って乾杯したのだが…
お手洗いに行った母親Aは、そこで不倫の証拠を発見してしまう。
型にはまらない家族に!
映画『キッズ・オールライト』本編より
素敵な乾杯だったのに…
入り乱れる感情と関係性
陽気な気持ちから一転。頭が真っ白になる母親A。
一方母親Bは、母親Aと不倫相手の精子提供者が打ち解け始めたパーティーの最中、嫉妬心が湧いていた。
パーティーから帰宅後、母親Bは母親Aに対し嫉妬心をあらわにすると、母親Aは静かに不倫の事実に迫る…
愛があるからこそ、認めてほしいからこそ、噛み合わなくなっている2人…
不倫相手の精子提供者へ「自分で家族を作りなさい」
立ち聞きしていた子供2人は母親Bの不倫を知り、怒りをぶつけまくる。不倫相手の精子提供者ポールにも。
しかしポールは楽観的に「俺は覚悟できてる。これで良かったんだよ。何もかもうまくいく」と愛する母親Bに伝えたが、大切な家族を苦労して育ててきた母親Bにとって、それはただの自分勝手な夢物語にしか聞こえなかった。
そして、ポールが家族に謝罪しに自宅へいった時、母親Aからこんな言葉を浴びせられることになる。
自分で家族を作りなさい
色々ありながら苦労して築いてきた絆だもんね
誠心誠意、謝罪の言葉を家族に伝えた母親B
泥沼化している状況、母親Bは誠実な謝罪を家族に伝え、家族としての関係を続けたい意思を伝えた。「後悔してる。どうか許して」と。
そうしてギクシャクしながらも、崩壊した家族は、ゆっくりゆっくり再建していく。
【感想まとめ】家族の絆は時間をかけて育てるもの
この映画では同性愛者の両親が登場するのでLGBT家族について知ることができる点も興味深かったのですが、愛し合っているのに本音と建前で微妙なズレが生じている様子は、男女カップルとなんら変わらないものがありました。
医学上の繋がりを超えて長い年月かけて育てあげられた家族の絆はかけがえのないものであり、壊れかけても再び立て直していくストーリーは、シンパパ彼氏をもつあなたや精子提供を考えているカップルにとっても、気づきとなるヒントがあると思います。
壊れて直してを繰り返し、強くなっていく絆かな
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