離婚後の子供の気持ちって繊細だよね
シンパパ彼女なら、子供の辛い気持ちやケア方法はきちんと知っておきたいよね!
ステップファミリー先進国のドイツではそういう子供のための絵本やワークショップが充実してるんだって。ステップファミリー育ちのT子さんが教えてくれたよ♪
はじめましての方、こんにちは。最愛シンパパと恋愛中のえむと申します。プロフィールはこちら
離婚したあとの子供の気持ちをケアする絵本や方法【ドイツ事例】
ドイツでは子連れ再婚家庭のことを「パッチワークファミリー」と呼ぶそうですが、そうした表現に代表されるように、ドイツでは離婚・再婚がポジティブに捉えられ始めているのだそうです。
それを支えているのは、離婚・再婚家庭の子供たちへの手厚いケア。ドイツでの取り組みにについて、ドイツ在住経験のあるT子さんに詳しく聞いてみました!
ドイツで生み出された「離婚児」の概念
ドイツには「離婚児(Scheidungskind)」という概念があります。離婚・再婚した家庭の子供を指す言葉で、特別なケアが必要な子供だと見なされています。
日本ではこのような子供たちに対して特別な措置が体系的に行われることがなく、親子の面会交流義務や再婚時の特別なケアがおろそかにされているという側面があります。そのため、多くの子供たちが両親の離婚や再婚で傷ついた心を癒やす機会を持てないでいます。
子連れ再婚率の高いドイツでは、そのような状況を解決するため「離婚児」という概念をもうけてケアに取り組んでいます。
日本では親の環境の変化に応じてなりゆきで子供の立場も変わってしまうのに対し、きちんと「離婚児」と定義づけてケアの対象になっているのは安心です。
確かに離婚後の子育てでも、離婚してない夫婦の子育てと特別変えてないイメージ
その子供の特有の傷をケアする方法って必要だよね
離婚したあとの子供の気持ちをケアする絵本や方法
離婚児向けの絵本
ドイツでは離婚児へのケアの一環として、離婚や再婚について子供にもわかりやすく教える絵本が数多く出版されています。
たとえば“Antonia, ihre Brüder und der Papa(アントニアと兄弟とパパ)”という絵本では、再婚後にできた子供の立場から、お父さんと元奥さんとの間に生まれた半分血の繋がった兄弟との心の交流や葛藤を描き出しています。
子供たちはこのような本を通して離婚や再婚、それにまつわる気持ちを知り、どのように受け止めればいいかを学ぶのです。
私の留学していた大学近くの書店では「離婚児」のための本の専用コーナーも設けられていました。
多様な家族が登場する絵本は日本ではほんど見られず、画一的な家族間にもとづいたストーリーばかりなので、離婚家庭や再婚家庭の子供は「なんでうちはよそと違うんだろう」と思ってしまいがちです。小さいうちからいろいろな家族構成とそれにかかわる感情を絵本で知ることは、離婚児に限らず全ての子供にとって良いことではないでしょうか。
多様性を受け入れる感覚を子供の頃から身につけておきたいものだね!
日本で手に入る本で離婚家庭を扱った本には次のものがあります。
『ココ、きみのせいじゃない はなれてくらすことになるママとパパと子どものための絵本』です。ドイツの本ではありませんが、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。
オススメ絵本
ココ、きみのせいじゃない
私えむも読んでみて、子供なりにも「うちは“普通の”家族じゃない」と不安に感じている時、「パパとママが離れていたって大丈夫、こういう家族の形は自分一人だけじゃない」そう前向きな気持ちになれるような絵本だと思いました。
子供と一緒に読むのはもちろんですが、すべてのページに親(元夫婦)に向けての具体的なアドバイスもあって、子供の揺れ動く気持ちをどう理解して、大人はどう対応すればよいのかも、とてもよくわかりました。
長い年月の間に、その時々で子供とどう接すればいいか大人も迷うことがあると思うので、指南書的にこういった絵本が1冊でもあると助けになりそうです!
離婚児のためのカウンセリング
離婚児やその親のためのワークショップも盛んに行われています。このようなワークショップでは、例えば次のようなプログラムが提供されます。
出典:Sommerworkshop für Trennungs- und Scheidungskinder(ドイツ語)
まず子供たちは、小人数のグループで、両親の離婚・再婚後の新しい生活をポジティブに捉えられるよう考え方の転換を促されます。そして、問題点や不満点をお互いに発表し合い、解決策を話し合います。
もちろん子供向けなのでゲーム形式にするなど楽しく取り組む工夫がされているのも安心です。
子供たちはこのようなセッションを通し、家庭内という閉じられた空間で孤独に悩むことなく、仲間と困難を共有し、子供自身の考えをきちんと表現する場を与えられるんですね。
- 孤独に悩まず、仲間と困難を共有できる
- 子供自身の考えをきちんと表現できるようになる
家庭内の問題は、日本でもそうですが、どうしても家庭内だけで完結してしまいがちです。誰にも相談できないという閉塞感は、特に視野の狭い子供たちを追い込みがち。私もまたそんな一人でした。自分の子供時代にこういうワークショップがあれば、ぜひ参加していたのに、とうらやましく思っています。このようなワークショップが日本でももっと広がればいいですね。
離婚した親自身のケア
一方、離婚児の親に対してもケアが必要です。離婚・再婚は本人である親にとっても人生の一大事。ついつい子供の気持ちを置いてけぼりにして行動していないでしょうか。ドイツでは離婚児の親に対するワークショップも行われています。
離婚後の子供との交流の仕方や、別れた相手への気持ちとの折り合いの付け方、元夫・妻の再婚相手への接し方などを学び、子供を傷つけない最善の方法を探るものです。
子供を傷つけないために親が学ぶべきこと
- 離婚後の子供との交流の仕方
- 別れた相手への気持ちとの折り合いの付け方
- 元夫・妻の再婚相手への接し方
出典:Trennung und Scheidung – Workshop “Eltern bleiben Eltern”(ドイツ語)
正しい方法を学び、適切にケアをすれば、親子ともに傷は浅くすむ
このようなワークショップで親と子供両方にアプローチする道が用意されているので、ドイツでは日本ほど離婚後の子供のショックが少ないと言われています。
こうしたワークショップは日本ではまだそれほど注目されていませんが、こういった考え方を取り入れることは可能ですよね。
自分の身の回りでできることから始めてみよう!
- 子供にとって相談できる場所(おじいちゃん・おばあちゃんや実のお父さん・お母さん)を遮断してしまわない
- 子供の不安や不満にきちんと耳を傾ける
- 必要であればカウンセラーを見つけてあげる …など
ドイツのステップファミリーをお手本に、離婚後の子供と自分を適切にケアしよう!
これまで見てきたように、ドイツでは離婚や再婚に対して日本ほどネガティブなイメージがないんですね。離婚や再婚での子供の心理的負担を軽くするため、様々な手立てが用意されているのも素晴らしいです。
日本ではまだまだケアの方法や必要性が認知されておらず、子供の人格が軽視されがち。そのため親の離婚や再婚で傷つく子供があとをたたない、という状況は否定できません。
シンパパと恋愛中の私たちが未来に新しい家庭をうまく築いていくためには、ドイツの「パッチワークファミリー」という考え方や子供との接し方から学んで、実際の生活に取り入れてみるといいのかもしれませんね。
ステップファミリー先進国から学んで取り入れていこう!
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